グルメサイトというと、ぐるなび、Retty、食べログなど、いろいろあります。
こういうサイトを、専門用語で「ディレクトリサイト」といいます。たくさんのお店やホームページの情報を集めて、カテゴリごとに分類したサイトのことです。なぜ作るかというと、Google検索で上位に表示されやすいからです。
大手ほどの規模でなくても、この形のローカルなサイトは世の中にたくさんあります。たとえば静岡県沼津市の「ぬまつー(沼津つーしん)」さん。沼津市民に愛される、飲食店の開店・閉店情報を日々発信しているサイトです。あれを見て多くの人がお店に行くきっかけになり、お店の中には「広告費を出してでも、良い場所に掲載してほしい」という要望もあるほどです。
有料でなくても、「開店するので載せてほしい」という情報がフォームから届いたとします。それをもとにお店に行って、写真を撮って、取材して、記事を書いて、サイトにアップする——けっこう大変な作業です。
これが全自動でできたらいいんじゃないか。そう思って作ったのが、以下の仕組みです。
もちろん、実際に取材に行くのがベストです。ただ、お店の方から写真と簡単な紹介文を提供してもらえるケースもあります。そういうとき、開店速報だけでもすぐ載せられることには、非常に価値があります。
数字から書きます。
ある地域情報サイトで、「公開記事40本超」を、記事を書く人ゼロで量産しています。
人が行っているのは公開前の確認だけです。
1本あたり短時間のチェックを目安に公開を判断するケースがあります。
物件情報の掲載、加盟店の紹介ページ、施設のお知らせなど、「先方から情報を受け取り、体裁を整えてWebに掲載する」という業務を持つ会社で応用できます。

掲載作業の正体は「メールの往復」
掲載業務を分解すると、記事を書く時間よりも、やり取りに費やす時間のほうが長いことが分かります。
依頼を受ける。
掲載内容を確認する。
写真を待つ。
届かなければ催促する。
不足している情報を改めて確認する。
1件の掲載で、メールが5往復、10往復と続くこともあります。
そこで、このケースでは記事作成の自動化より先に、「メールの往復を減らす」ことから設計しました。
仕組みの中身——受付の時点で、全部もらう

- 入口はフォーム1枚: 店名・担当者・連絡先だけでなく、住所・営業時間・伝えたいこと・写真・掲載への同意まで、最初のフォームで全部もらいます。メール往復の多くは「最初に確認していなかった項目」が原因です。そのため、受付時点で必要な情報を集めます(GoHighLevel(GHL)のフォーム機能。受付と同時に顧客カードが自動で作られます)
- 受付の自動返信: 素材が揃っていれば「このまま作成に入ります」、写真が足りなければ「この返信に添付してください」と、状況に応じた返信が自動で届きます
- 記事化は1日1回のまとめ処理: 受け取った素材と公開情報をもとに草稿を自動生成し、機械検査(文字数・不適切な表現・出典リンク切れなど)に合格したものだけが下書きとしてWordPressに並びます
- 人の仕事は、ここだけ: 1日1回、合格した下書きの一覧を確認し、「店名と写真が合っているか」を見て公開を判断します。
- 公開されたら完了連絡も自動: 掲載URL入りの完了メールが先方へ自動で届きます
役割分担は、表側をWordPress(公開・検索対策)、裏側をGoHighLevel(受付・顧客管理・自動連絡)が担当します。
それぞれが得意な役割だけを担う構成です。
「機械が先に検査して、合格だけを人に見せる」

この仕組みで品質を支えているのは、生成よりも検査です。
草稿はすべて、公開前に機械検査を通します。
不合格になったものは自動で書き直し、それでも基準を満たさない場合は保留箱へ移動します。
そのため、人の確認対象になるのは、機械検査を通過した草稿だけです。
人の確認時間を短く抑えられるのは、機械が先に大部分を検査しているからです。
人の確認を減らすことではなく、人にしか判断できない「実物と一致しているか」という確認に役割を絞る考え方です。
受付フォームに入れる項目の一覧
掲載依頼の受付フォームを設計する際、あとからのメール往復を無くすために最初にすべて回収する項目の例を整理します。
まず、店舗や施設の基本情報として、店名または施設名、正確な所在地、代表的な電話番号や連絡先窓口を必須項目として設定します。次に、営業時間や定休日、提供するサービスやメニューの概要、お店側が一番伝えたいアピール文をフォームに入力してもらいます。
さらに、外観や内観、看板メニューなどの写真データのアップロード欄を設け、掲載に関する規約やプライバシーポリシーへの同意チェックボックスを配置します。
これらを最初の受付フォームの段階ですべて取得しておくことで、あとから「写真が足りない」「住所の番地が抜けている」といった追加確認の連絡を減らせます。
機械検査で見る項目の例と不合格のときの扱い
自動生成された草稿がWordPressの下書きに並ぶ前に、GoHighLevelのワークフローや連携プログラム上で実行する機械検査の具体的な内容と、不合格になった場合の処理の流れを整理します。
機械検査で見ている主な項目の例としては、指定された文字数を満たしているかどうかの長さチェック、公序良俗に反する表現や禁止ワードが含まれていないかのチェック、そしてリンク切れや不自然なURLがないかの確認があります。
もしこれらの検査項目のいずれかで基準を満たさなかった場合、システムは自動的に表現の修正を試みます。それでも基準をクリアできないと判断された草稿は、そのまま公開候補から除外され、担当者が手動で確認するための保留箱フォルダへと自動的に移動されます。
これにより、明らかに品質基準に満たない記事やエラーを抱えたデータが誤って人の目に触れたり、そのまま公開されてしまったりするのを防ぎます。
1日1回の確認で見る点の点検表
1日1回、機械検査を通過した下書きの一覧をチェックし、短時間のチェックで公開判断を下すために、人間がどこを見るべきかの具体的な点検表を整理します。
- 店名と写真の照合: 送られてきた写真が、実際に登録される店舗や施設のものであるかを目視で一瞬確認します。
- 情報の致命的な誤りの有無: 住所や電話番号、営業時間などの主要なデータに、一目でわかるおかしな文字化けや抜け落ちがないかを確認します。
- 公的な表現の最終チェック: 広告表現として過剰な表現になっていないか、直感的な違和感がないかを最終的に見極めます。
これらのポイントをあらかじめ決めておくことで、迷うことなくスムーズに「公開」ボタンを押す判断ができるようになります。
自社の業務に置き換えるときの手順
この地域情報サイトの自動化の仕組みを、自社の別の業務や運用へ置き換えるときに行うべき具体的な手順を整理します。
まず最初のステップとして、現在行っている掲載業務において、メールやチャットの往復が何回発生しているかを書き出し、どこで情報が止まっているかを可視化します。たとえば、GoHighLevelで車検・点検の確認電話をメール・SMSの自動確認に置き換える のような定型的な確認業務が発生しているポイントを見つけ出します。また、社内の記録や数字の集計業務が含まれる場合は、GoHighLevelで「集計」という仕事を消す のように現場の記録がそのまま経営数字に反映される設計を意識します。
次のステップとして、先方から受け取るべき情報を漏れなく回収できる1枚の受付フォームをGoHighLevel上で作成し、入力と同時に顧客カードが自動作成される導線を整えます。さらに、書類の控えを自動で作成したり到着を即座に通知したりする仕組みが必要なケースでは、GoHighLevelで申込書の控えをPDF自動作成・書類到着を即通知 のように言った言わないのトラブルを仕組みで消す設計を取り入れます。
最後のステップとして、自動生成された草稿を機械検査に通し、合格したものだけを下書きとしてWordPressに並べ、人間が1日1回短時間で確認して公開する運用ルールを定着させます。
他の業種への読み替え
この仕組みは、地域情報サイトだけに限りません。
- 不動産会社の空室情報の定期更新(空室が出たら掲載、埋まったら取り下げ——手作業でやっている会社が大半です)
- フランチャイズ本部の加盟店紹介ページの受付と掲載
- 採用ページの求人情報の更新
「先方から情報と写真を受け取り、Webへ掲載し、完了を伝える」という流れがある業務であれば、受付フォームと自動化の流れをそのまま応用できます。
この実例は自社で運用しているサイトでの実測です。
掲載先の実名や件数の詳細は公開していませんが、受付から公開まで人がほとんど触れない運用を、日常的に行っています。
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