「先月お電話した◯◯様、まだうちで車検を受けるおつもりでしたっけ」
車検のお客さまのリストは、そのまま置いておくと鮮度が落ちていきます。
すでに他社で車検を通した方。
車を買い替えた方。
連絡先が変わった方。
リスト上では件数があっても、実際に案内できる「生きている見込み客」が何人いるのか分からなくなってしまいます。
そのため、定期的な意向確認が必要です。
ただ、この確認を電話で続けると、顧客が増えるほど現場の負担も大きくなります。
- 1件ずつ電話をかける
- つながらなければ、あらためてかけ直す
- 話した内容は担当者のメモだけに残る
全員を一巡した頃には、最初に確認した方の情報がすでに古くなっていることも珍しくありません。

設計——「確認する」を、仕組みの側に移す

このケースでは、お客様の希望や意向の確認から、日程確認、予約確定へと段階を分けて運用します。確認の中心を電話からメールとSMS(ショートメッセージ)へ切り替えます。
車検の案内を自動で送るために、GoHighLevel(GHL)の標準機能を使い、次の流れで運用します。
- 定期の自動送信: 車検・点検の時期が近づいた方全員へ、一定周期で意向確認の連絡を自動送信します。「次回の車検のご予定はいかがですか。①今回もお願いする ②時期が変わった ③今回は見送る」のように、回答しやすい内容にします
- 返信の自動記録: 返信内容に応じてタグや項目を自動更新し、その方のカードへ履歴として記録します。「お願いする」の方は入庫予定のリストに残り、「見送る」の方はお礼の連絡とともに案内対象から外れます
- 無反応の扱いを決めておく: 一定期間返信がない方だけを抽出し、その方に対して電話をかけます。電話は全員にかけるものではなく、仕組みで絞り込まれた対象にだけ行う運用へ変わります
- 緊急度の高い連絡だけSMS: メールは読まれない場合があります。満了日が迫った案内のように時間が重要な連絡は、SMSを併用します
意向確認の結果は、そのまま顧客リストの鮮度につながります。
入庫枠が空いたタイミングで自動案内を行う仕組み(GoHighLevelで空き枠と順番待ちを自動マッチング)は、リストの情報が最新であることを前提としています。
また、GoHighLevelで資格・契約の更新期限を自動管理する仕組みと同様に、この2つの仕組みはセットで運用することを前提とした設計です。
意向確認の文面の例(メール用とSMS用)
自動化をスムーズに進めるためには、受け手が迷わず返信できる文面をあらかじめ用意することが大切です。ここでは実際の運用で使いやすいメール用とSMS用の文面例を示します。
メール用の文面例は以下の通りです。
- 件名:【重要】お車の車検時期のご案内とお伺い
- 本文:◯◯様、いつもご利用いただきありがとうございます。そろそろお車の車検満了日が近づいております。次回の車検についてご意向をお聞かせください。「①今回も当店にお願いする」「②時期や予定が変わった」「③今回は見送る」のいずれかの番号をご返信いただけますと幸いです。
SMS用の文面例は以下の通りです。
- 本文:【自動車整備工場より】◯◯様、次回の車検のご予定はいかがでしょうか?①今回もお願いする ②時期変更 ③見送る、の番号をこのメッセージにご返信ください。(詳細はお送りしたメールをご確認ください)
文字数を抑えた簡潔な表現にすることで、返信のハードルを下げる工夫が求められます。
返信ごとに付ける印と次の動きの対応表
お客様からの返信内容に応じた自動処理を明確にするため、以下の対応表を基準にしてタグやステータスを割り当てます。
- 今回もお願いする:入庫予定タグを付与し、担当者へ通知を送る。自動で日程調整の案内メールを送る流れへ移行する
- 時期が変わった:変更後の時期に関するアンケートや、再確認のスケジュールを自動で再設定する
- 今回は見送る:お礼のメッセージを自動送信し、今回の車検案内の対象リストから自動的に外す
このように状態ごとの動きをあらかじめ決めておくことで、手作業による確認ミスを防ぐことができます。
無反応の人を抜き出して電話する手順
意向確認のメッセージを送った後、全員から返信が返ってくるわけではありません。そのため、返信がない顧客を効率的に絞り込む手順を組み込みます。
具体的な手順は次の通りです。
- 送信完了から一定の期間(例えば数日間)が経過した時点で、自動送信のタグがついており、かつ返信のタグがついていない顧客をシステム内で自動抽出します
- 抽出されたリストを、担当者が架電リストとして確認できるように整理します
- リストアップされた数件の方に対してのみ、電話をかけて直接の意向確認を行います
この運用により、全ての顧客に電話をかけ直すのではなく、絞り込んだ対象だけに電話をかける運用に整えられます。
導入前に確かめる点(SMSの費用・送信者名・年配のお客様)
実際に運用を始める前に、運用上のリスクや自社の顧客層に合致しているかを確かめておく必要があります。
- SMSの費用と送信者名:SMSの送信には一定の費用がかかるほか、受信側にどのような送信者名が表示されるかの事前確認が欠かせません。利用条件やコストをあらかじめ計算に入れておくことが求められます
- 年配のお客様への配慮:すべての顧客がスマートフォンやメールを頻繁に見るわけではありません。年配のお客様が多い地域や客層の場合には、メールやSMSだけに寄せ切らず、電話でのフォローを組み合わせる判断が必要です
GoHighLevelとWordPressで掲載作業を自動化する事例などと同様に、デジタル化を進める際でもターゲット層の特性を見極める視点が重要になります。
正直な注意点
- SMSの送信には費用と事前確認が要ります。送信単価や送信者名の表示方法は、利用条件によって変わります。導入時には自社の利用条件を確認したうえで設計へ組み込むことが必要です
- 年配のお客様が相手の場合は、メール・SMSだけに寄せ切らない判断も必要です。この設計の目的は電話をなくすことではありません。「全員への定期電話」を「必要な数件への電話」に置き換えることが目的です
この仕組みは現在設計段階にあり、これから自社で構築する過程も、この連載で公開していきます。
電話を自動の確認に置き換える、と聞くと冷たく感じるかもしれません。実演で見せたときの手応えは、逆でした。
■現場の声(実録コラム)
日程調整の自動化を、その場で見せたことがあります。それまでは電話やメールで「この日はどうですか」を何往復もして、決まったら会議のリンクを送り、前日に「明日です」と連絡する——全部、人の仕事でした。カレンダーの空き枠を押してもらう形にすると、確認のメールも前日のリマインドも、そこから先は勝手に動きます。月に10件の調整がある方なら、10件ぶんの往復がまるごと消えるわけです。
電話を全部やめる話ではなく、いちばん面倒な往復だけを仕組みに渡す話です。
「定期の状況確認」がある業種なら同じ形

保守契約の更新前の意向確認。
定期点検・法定点検の案内。
休眠会員への再確認。
キャンセル待ちの管理。
「相手の状況が変わっていないかを、定期的に・大量に・確実に確認したい」業務であれば、自動送信→返信の自動記録→無反応だけ人が対応、という同じ流れで設計できます。
(マンガは右上から左へお読みください)

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この記事は、GoHighLevel導入シナリオ集(全20本)の1本です。
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